備長炭・オガ炭・黒炭・オガライトとは?炭を徹底比較!
備長炭・オガ炭・黒炭・オガライトは何が違うかご存じでしょうか?また、それぞれの使い分けは適切にできているでしょうか?
この記事では、備長炭・黒炭・オガ炭・オガライトをそれぞれ解説し、シーン別の選び方もご紹介します。
炭の種類
ここでは、備長炭や黒炭・オガ炭・オガライトの基礎知識や特徴を解説します。
備長炭とは?
木炭には、大きく分けて黒炭と白炭の2種類があります。備長炭は、白炭の中で最も品質が良いとされる高級なブランド炭です。他の炭に比べて密度が高く、一度火が付けば数時間ほど燃焼状態を保てます。また、赤外線の放出量も圧倒的なため、肉や魚の表面をコーティングして旨味を中に閉じ込めます。素材が美味しく仕上がるので、日本料理店やウナギ屋、焼鳥屋などで多く扱われる炭です。
黒炭とは?
黒炭とは、製造の際に白炭と火の消し方が異なる木炭です。黒炭の火の消し方は、焚口と煙の出口を粘土や石で塞いで徐々に酸素をなくし、自然に火が消えるのを待ちます。白炭よりも柔らかく崩れやすい性質を持っています。また、燃焼時間は比較的短いですが、火が付くまでのスピードが速い点が特徴です。一般的に、クヌギやナラといった木材が使われています。
オガ炭とは?
オガ炭とは、オガライトという固形燃料を炭化させたものです。白炭・黒炭の両方が存在し、用途によって使い分けられています。オガ炭は、初心者にも扱いやすい点が特徴です。また、白炭や備長炭と比べて火付きが良く、コストパフォーマンスに優れている点も大きなメリットです。
オガライトとは?
オガライトとは、スギやヒノキ・マツなどを加工する際に出る「おがくず」を加熱&圧縮して整形した固形燃料です。本来であれば廃棄するはずのバイオマス資源を使用しているため、環境にやさしい燃料といえます。道具を使わず手で簡単に折れるため、キャンプ場で薪の代わりに使用されるケースが多いです。
正しい炭の選び方
正しい炭を選ぶポイントは、それぞれの特徴や使い勝手を考慮した上で、用途に合わせて選ぶことです。ここでは、種類別・シーン別の選び方を解説します。
品質を追求する飲食店には「備長炭」
白炭の中でも最高級のブランド炭が、備長炭です。火が付くスピードこそ遅いものの、燃焼時間は炭の中で最も長く、火力の安定性も抜群です。また、備長炭からは2種類の赤外線が大量に放出されており、素材のポテンシャルを最大限に引き出せます。
まずは、近赤外線が食材の表面に焦げ目を付け、中の旨味を外に逃さないようコーティングします。次に、遠赤外線がまんべんなく食材を加熱することで、タンパク質をグルタミン酸に分解します。グルタミン酸は、「旨味成分」ともいわれるアミノ酸の一種です。
表面はパリッと中はフワッと仕上げられるため、高級料亭の焼き場やウナギ屋など、究極の味を求める料理人に重宝される木炭です。しかし、品質が高い反面、相応のコストがかかってしまう点が備長炭のデメリットといえます。
初心者のバーベキューには火の付きやすい「黒炭」
初めてのバーベキューや、炭の扱いに慣れていない場合は、初心者にも扱いやすい黒炭がおすすめです。黒炭は、比較的火の付くスピードが速いという特徴を持っています。また、火が燃え上がらずに途中で消えてしまう「立ち消え」も少ないので、非常に扱いやすい炭の1つです。
バーベキュー場を予約し、限られた時間の中で食材を焼き切るには、安定した火力の維持が必須となります。そんな時に、火起こしや継ぎ足しを素早くこなせて、扱いも簡単な黒炭があれば非常に重宝するでしょう。
ただし、黒炭は火の付くスピードが速い分、燃焼時間が短い点がデメリットです。断続的に炭を補充し続ける必要があるため、自然を満喫しながらゆったりとした時間を過ごしたい方には不向きかもしれません。
コストパフォーマンスを重視するなら「オガ炭」
高い性能に加え、価格も抑えたい場合にはオガ炭がぴったりです。黒炭に比べて燃焼時間が長いため、途中で炭を継ぎ足すのが面倒な方にもおすすめします。炭の扱いに少し慣れてきた中級者にぴったりの炭です。
そして、オガ炭は煙の量が少ないメリットがあります。例えば、自宅の庭やテラスでバーベキューをする際、煙がもくもくと上がれば近隣に迷惑がかかってしまいます。オガ炭は煙の量が少ないため、自宅でのバーベキューにも安心して使用可能です。
また、焼肉屋で七輪の中に入れて使用する際にも便利です。3〜4時間高温で燃え続けるので、コストパフォーマンスに優れており、面倒な炭の入れ替えの手間も少なく済ませられます。しかし、短時間で消す場合は消化作業をきっちり行わなければいけません。使い方次第では、火持ちの良さがデメリットにもなります。
キャンプでの焚き火や薪の代わりに使うならオガライト
オガライトは、材木を加工する際に出るおがくずや木材チップを固めて作った人工燃料です。そのため、火が付きやすく火力も強い点がオガライトの強みです。白炭や備長炭と比べ、初心者でも容易に火を起こせます。
キャンプ場で焚き火をする際、薪の扱いに慣れていない方にはオガライトが便利です。薪のように山から採取する必要がなく、道具を使わなくても手で割って簡単に形状を変えられます。また、炭に起こる「爆跳」がないので、子供がいる場所でも安全です。
また、薪を使うビザ店等の飲食店で薪の代わりの燃料としても向いています。薪よりも扱いやすく、火付きが良く火力も強い為、非常に便利な燃料です。
デメリットとしては、炭に比べると燃焼時間が短い点です。3〜4時間高温を保つオガ炭に比べ、オガライトの燃焼時間は約1時間です。そして、炭で焼き上げる際の燻した香ばしさが楽しめない点がデメリットといえるでしょう。
炭の量はどのくらい必要なのか?
一般的な炭の必要量は、大人1人につき炭1kgです。また、バーベキューのコンロ1台につき1kgともいわれています。しかし、これはあくまで目安です。選ぶ炭の種類や用途によって、必要な炭の量は変わります。
例えば、稼働状況によって使用量が大きく変化する飲食店では、上記の限りではありません。大事な場面で炭が切れてしまわないよう、あらかじめ余分に用意しておくことをおすすめします。
品質の優れた炭の見分け方は?
炭を使用する用途や種類が決まったあと、気になるのは高品質な炭の見分け方です。少しでも良い炭を手にするために、以下のポイントに着目して選びましょう。
軽すぎないかどうか?
良い炭は密度が高く、重量感があります。特に備長炭という名称で売られていながら極端に軽い場合は注意が必要です。
バサバサという音がしないかどうか?
粗悪な原木を使っている炭や、製造工程で焼きが甘く内部にガスが残っている炭は、箱を振るとバサバサという音がします。ガスが残る炭は煙や爆跳の元になります。
切り口にツヤがあるかどうか?
リーズナブルな炭を選ぶ際は、切り口が多少ザラザラでも問題はありません。しかし、高級な炭を購入する場合は切り口が鏡面のように仕上がっている品を選びましょう。
炭のことなら「中庄商店」へ
今回は、備長炭や黒炭・オガ炭・オガライトなどの炭の基礎知識と選び方をご紹介しました。木炭や固形燃料は、シーンや用途に合わせた種類を選択することがポイントです。バーベキューや飲食店の現場でどんな炭を使えばいいのか分からないと迷った際は、ぜひこちらを参考にしてみてください。
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