黒炭とはどのような炭?その特徴や用途をご紹介!

黒炭

皆さんは「黒炭」とはどのような炭かご存知でしょうか?

パチパチと心地よい音を鳴らしながら風情を感じさせてくれる炭、それが黒炭です。

炭の中でも比較的入手しやすい炭の為、「炭=黒炭」というイメージを持つ方も多いと思います。しかし、その特徴や用途までご存知の方は少ないのではないかと思います。

実は黒炭は調理意外にも様々な用途で使われています。今回は、黒炭の特徴や用途などを詳しくご紹介していきます。

黒炭とは?

黒炭はホームセンターなどで販売されていることも多いため、一般の方でも目にすることが多い燃料で、主にナラ・くぬぎ・カシなどの木材が使われます。

黒炭は以下のように定義されています。

黒炭(こくたん、くろずみ、英: Soft charcoal)は、木材を土窯を使い炭化させた木炭である。主成分はほぼ炭素であり、ごく少量アルカリ塩を含んでいる。(wikipediaより)

実は、”木材を土窯で炭化させる”という段階までは白炭(備長炭)と同じなのですが、違いはその後の精錬方法にあります。

白炭は1200°近い高温で一気に焼き上げ、消し粉(土・灰・水)で一気に消して精錬します。消し粉の灰が白く見えるのが名前の由来です。

それに対して黒炭は400°〜700°の温度で密閉し、空気の遮断により消化、自然い冷却させるといった方法をとったものです。

消し粉を使用せず、炭は黒いままの為「黒炭」と呼ばれています。

まったく同じ原木を焼いた炭でも精錬方法が違うことで火力、燃焼時間、堅さ、などに違いを生みます。

黒炭の特徴

黒炭にはどのような特徴があるのかご紹介します。

入手しやすく、比較的安い

冒頭でも述べましたが、ホームセンターなどでも入手可能な黒炭は、備長炭などにくらべると安価で簡単に入手することができます。

よく見かけることから一般の方の炭のイメージは黒炭であることが多いです。
黒炭の特徴を一言で言うならば、「リーズナブルでスタンダードな炭」だといえます。

最大火力が高い

入手が簡単なことから、備長炭などと比べると火力が弱いと思われることが多い黒炭ですが、実際は非常に高い火力を持っています。

その最大火力は非常に高く、鍛治に用いられることもあるほどです。

炎が上がりやすいのも黒炭の特徴で、焼きものに最適な”遠火の強火”を実現してくれます。

強い火力(炎)で炙るように焼きたい場合には力を発揮します。

火がつきやすい

他の炭と比べてかなり優れているのが「火のつけやすさ」の点です。柔らかくて軽い黒炭は非常に着火に向いた炭となっています。

「BBQにきたけど、炭になかなか火がつかない・・」といった経験をされたことはありませんか?そのようなケースでは、炭の種類がわからず黒炭以外の燃料を使用してしまっていることが多いです。

黒炭は線香のように一部から燃焼を始めるため、着火剤やバーナーなどでも簡単に火がつきます。

大きな爆跳は起こらない

備長炭を扱う飲食店にて、「パンっパンっ!」と大きな音をたてて爆発するのを見たことはありませんか?

そのような現象を爆跳と呼びますが、爆跳は木炭内のガスや水蒸気が加熱により膨張、逃げ場を失うことによって起こります。

しかし黒炭は木炭の密度が低いため、パチパチと少し爆ぜる程度にとどまるので比較的安全に使用することができます。

爆跳を起こす備長炭などでは、火傷などにより痛い思いを経験することも少なくありません。

どなたでも比較的安心に使うことができることや、食材に破片が刺さって台無しにしてしまうことがないのは黒炭の大きなメリットです。

火力調節がしやすく扱いやすい

火の周りが早く、火力の調節がしやすいのも特徴の一つです。

理由としては、炭になってからカットされているものが多いので、形や大きさが均一なことが挙げられます。

備長炭などの炭を扱うには、多少の知識や経験を必要とします。それに対して黒炭は、炭を触ったことでも扱いが難しくないため、幅広いシーンで利用されています。

燃焼時間がやや短い

黒炭の燃焼時間は約2時間程度と、備長炭やオガ炭などと比べると短いです。そのため長時間、火を維持する際はこまめに炭を継ぎ足す必要があります。

燃焼時間は短いものの、他燃料とくらべると価格が安いため、コスパが悪いというわけではありません。

火を長時間維持する必要がある飲食店などで=オガ炭や備長炭を使用
短時間の維持で問題ない場合=黒炭を使用

このようにケースに応じて使い分けることで高いコストパフォーマンスが得られます。

煙が多く、においがある

デメリットといえる部分ですが、黒炭は煙の量が多く臭気があるのも特徴です。そのため屋内での使用には十分注意する必要があります。

上質な国産黒炭を使用することで抑えることもできますが、上質なものであっても多少の臭気は残ります。

黒炭と白炭(備長炭)の違い

黒炭の特徴をご紹介してきましたが、白炭(備長炭)との違いを簡単にまとめておきたいと思います。

黒炭 白炭(備長炭)
火つき つきやすい つきやすい
火力 かなり強い 強い
燃焼時間 短い 長い
爆跳 パチパチとなる程度 大きく爆ぜる
性質 柔らかく軽い 硬く重い

簡単にまとめるとこのような違いが存在します。
どちらが良い悪いというよりも、シーンや用途にあわせて適切な炭を選ぶのが大切です。

黒炭におすすめの用途

オガ炭の特徴や白炭との違いを説明してきましたが、どのような場面で黒炭を使用するとその特徴を活かせるのでしょうか?

BBQ(バーベキュー)

安価、入手しやすい、爆跳が少ないなどの特徴を持った黒炭はバーベキューでの使用におすすめの炭です。

軽いのでBBQ以外でも、炭を持ち運ぶ必要がある際に活躍するのが黒炭です。

燃焼時間は短めですが、炭を継ぎ足すことで十分な火力維持が可能なので大人数でのバーベキューにも対応できます。なにより火付けに困らないのは最大のメリットです。

お部屋の除湿・ニオイ取り

本来の使い方とはすこし異なりますが、黒炭には除湿・消臭効果があり、置いておくことで嫌なニオイや湿気を除去することができます。

炭のタイプごとに吸着しやすいニオイがあり、黒炭は”アルカリ性”のものを吸着しやすくなっています。

お部屋や冷蔵庫のニオイ・除湿にも使えますが、トイレやクローゼットに置くことでさらに高い効果を発揮します。

炉端焼き

“遠火の強火”を実現する黒炭は「魚介類の焼き物」などに非常に向いています。

また、爆跳しない・火の周りが早い・火力調節が容易などの特徴は、炉端焼き居酒屋での使用にぴったりです。

魚介類の他にも”食材を強火力(炎)で炙るように焼き上げたい”場合には黒炭を使用することで非常に美味しく仕上げることが可能です。

鍛治・鍛造

最大火力や高い黒炭は、鍛冶や鍛造・陶芸などにも使用されます。とくに火力の強い松炭、栗炭、雑木炭は「鍛冶屋炭」とも呼ばれています。

鍛冶屋炭は1000°以上の高温になることもあるため、調理などでの使用には危険すぎて不向きなためあまり一般的なものではありません。

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この記事では黒炭の特徴や用途ついてご紹介しました。

黒炭は入手しやすく、非常に取扱いやすい燃料だというのがおわかりいただけたのではないでしょうか?火のつけやすさや火の周りの早さ、高い火力等の特徴を持つ「黒炭」は多くのシーンで活躍する炭です。

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